2/28/06

Zinesコレクションの週末公開






2月25日、26日の2日間a little blah blahのオフィスを開放してオーストラリア・メルボルンのプライベートコレクションから借りたZinesコレクションを公開した。

ZinesはもともとはMagazineのzineから派生した言葉で、低予算で出版された本の事。中には印刷も、製本もすべて手作りのものも数多くある。ここ20年位アメリカやオーストラリアでは時には“アーティスト・ブック”などと名前をかえて盛んにつくられてきた。そのルーツは20世紀初頭にさかのぼり、ダダのマニフェストや、シュールレアリズム、シチュエーショニスト、アバンギャルドの発展にも大きくかかわっている。ほとんどのZinesは無料で配られる事が多いが、販売される場合は大抵1ドルから5ドル位でフリーマーケットやレコードショップ、その他Zines専門のシンポジウムなどで売買される。

アートに限らずZinesのカバーするエリアは数えあげたらきりがないがその幾つかを紹介すると:文学、アニメ、政治、精神世界、性、音楽、詩、サイエンスフィクション、UFO...等々。

今回はメルボルンからのコレクションに加えて、新しくサイゴンにオープンしたAtelier Wonderfulから借りたヨーロッパからのコレクションも幾つか公開。

我々のインビテーションだけでなく、口コミでも広がって大反響。正直、こんなにサイゴンローカルが関心を示してくれるとは思っていなかったのでスーと私にとって非常に嬉しい週末となった。

2/20/06

asia-pacific triennial of contemporary art 2006



オーストラリアのブリスベンにあるQueensland Art Galleryはasia-pacific triennial of contemporary art のホストとして知られているところだが、またその時期がやってきた!前回2002年のAPTは一時は60名以上にまで拡大していた参加アーティスト数を思い切って大幅に縮小、17名の厳選されたアーティスト。大御所ではナム・ジュン・パイクや草間弥生をはじめ、Suh Do-Ho, Michael Lin, Song Dongあたりもしっかり押さえた中身の大変濃い展覧会だったのを記憶している。
APT2006はArt Gallery から200メートル北に新設されたQueensland Gallery of Modern Art(運営は同じ)にも展示スペースを拡張するとの事で楽しみ!

APT2006は前回よりは参加アーティストを増やして30−35人の編成でいくらしい。とりあえず2月中旬の段階で決まっているのは以下の通り;

Anish Kapoor (India/UK) | The Long March (Collective, China) | Ozawa Tsuyoshi (Japan) | Stephen Page (Australia) | Michael Parekowhai (New Zealand) | John Pule (Niue/New Zealand) | Kumar Shahani (India) | Talvin Singh (UK) | Michael Stevenson (New Zealand) | Masami Teraoka (Japan/USA) | Sima Urale (Samoa/New Zealand) | Ai Weiwei (China) | Yang Fudong (China) | Yang Zhenzhong (China)

さて、去る2月6日。Assistant Director のAndrew ClarkとGallery of Modern Art 内に新設されたシアターからHead of CinemaのKathryn Weirがベトナムのアート事情のリサーチにやってきた。タイ、ベトナム(ハノイ&サイゴン)、香港をいっきに視察してまわる強行手段でサイゴンでは3日間という短時間で多くのアーティストに会わなければいけない彼ら。どうしても短期間となると、Jun Nguyen HatsushibaやDinh Q. Leのようなすでに国際評価のある越境(海外帰りのベトナム人の意味)アーティストとの時間が優先されてローカルのアーティストは後回しにされる。そこでa little blah blahがローカルアーティストとのミーティング+個別インタビューをオーガナイズした。アーティスト達に事前にCVやポトフォリオを持参するように連絡しておいたが、ちょっと心配。でも結果は全員こちらが感心してしまうくらいきちんとオーガナイズされた国際レベルのポトフォリオ(CD、DVDも含む)を提出。あーー、ベトナム人アーティストの作品のプレゼンに対する意識がここ数年で変わったんだぁ!!とすごく嬉しかった。

ビエンナーレやトリエンナーレでベトナムを代表するアーティストというと、現実には一年の半分もベトナムにいないような、ベトナム語もろくに話せないようなアーティストが選ばれている現実がある。たしかに海外で教育を受け、経験を積んだ彼らの作品は洗練されていて人前にだして「恥ずかしくない」作品には違いない。実際私も例えばジュンの作品のファンであったりもする。でも「彼らって...全然ベトナムじゃないじゃん、血がベトナム人ってだけで国際舞台でベトナムの顔になるのはどうなんだ!!」がローカルでの反応。まずは、ローカルアーティストに作品をプレゼンする機会を作ってあげる事で将来的にもっと彼らの実力に注目してもらえるようになるといいな。ある程度国際舞台で経験を積んでこそ磨かれる才能もあるわけだし。もちろんいきなりビエンナーレ、トリエンナーレとは言ってないけど(笑)、もっともっと海外のアーティストとのコラボなりに積極的にベトナム勢は参加していかねばね。(^ー^)

追伸:a little blah blahのブログも随時更新中!Check it out!
http://albbsaigon.blogspot.com