12/5/05

どうなるサイゴンビエナーレ?!



サイゴンビエナーレ(以下SGNB)主催カンファレンスが12月1日&2日に行われた。サイゴンの主要なアート関係者がSGNBオフィスの仕事のアンプロフェッショナルさに抗議するためにボイコットする中始まった会議。私も通常はボイコット組の人間達と親しいのだけれど、一応状況を見極める為に出席を決意。個人的に「ボイコット」は好きではない。抗議するにも私は内容を知ってからにしたいと思う。

さてさて、ここ数ヶ月続くビエナーレお家騒動。あらましだけを簡単に言うと、2004年に始まったこの企画。フォード財団のサポートを受けてまず企画室を設置。プロジェクト・リーダーのMai’s Galleryのマイ、そしてalbbのパートナーでもあるスーがその補佐をし(補佐とはいえ、マイがあまりにもアート事情に無知+未経験なので実際の仕事はほとんどスー)、Dinh Q. Le, Jun Nguyen Hatsushiba等がアドバイザーとなりまずはHou Hanruをキューレーターにするべくベトナムに招待。プレスリリース的な事まで実施するものの、企画室内でのゴタゴタに一時停止状態。まず、Dinhが「こんな企画ではやってられんっ!」と一抜ける。そしてスーがマイとの性格の不一致(?!)で辞めさせられる。そしてNYのRodney Dicksonをアーティスティック・ディレクターに呼ぼうとマイとフォード財団で話し合いをしていた矢先にJunがキューレーターへ立候補。一件落着かと思いきや、Junがキューレーターに就任したのも束の間、今年11月20日付けでJunはSGNBオフィス批判を含んだ辞任Eメールを配信。サイゴンアートコミュニティーが事の成り行きに追いつけずキョトンとしている間にいつの間にかビエナーエオフィスに戻って来ていたDinhが実質中心となりタイからRirkrit TiravanijaとProject304のGridthiya Jeab Gaweewongを呼び寄せ、彼らが新たなキューレーターに就任。今回のカンファレンスはその報告(お披露目会)だったというわけ。
実際会場に来ている人間はこれらの騒動をほとんど知らない人間たち。ハノイからの人間が目立つ。新しく配布されたアドバイザー+現地キューレーター(ハノイのTran Luong等)リストにはハノイ出身者ばかり。首都であるハノイの勢いに追いつけとがんばって来たサイゴン、ハノイに追いつけ、でもハノイのアート政治に呑み込まれるな!という事でそもそも企画のあがった「“サイゴン”ビエナーレ」なのに、結果的にハノイ勢で固められる事に。個人を責めるのは悪いけど、リーダーのマイは一体何を考えてるのかわからない。カンファレンス中もやたらとハノイ勢をヨイショしてる感じがあって不快感を覚えた。ハノイとサイゴンの人間が一緒に仕事をするのは素敵な事。でも、どう考えても、ハノイに呑まれてる!!!同じ事の繰り返し!!
とりあえず、新しいキューレーターを迎えたSGNB。今までの企画とガラッと変わって、2006年12月20日から2007年2月末に約40人の海外・ローカルアーティストを招待しての大展覧会を予定中。内訳はローカルアーティスト15%、アジア人アーティスト70%、欧米アーティスト15%らしい。あと一年しかないのに、まだ予算もできてないらしい。大きな企画にどう現実が追いついて行くのやら。。。。。経験豊かなキューレーターだけではなく、状況を的確に判断し日常のオフィス運営をきりもり出来るプロのアート・アドミニストレーターが今一番SGNBオフィスには必要だと思う。この旨をフォード財団のMichaelに伝えた。彼も賛成。それでは誰を呼ぶ?!次なる課題である。。。。はぁ。。。。。

写真(左からMai、モデレーターのMai Chi、Gridthiya Jeab Gaweewong, Rirkrit Tiravanija, Dinh Q. Le.)
写真 (フォード財団のMichael DiGregorio)