12/21/12

Happy Holidays


東京からの荷物が先週届き、やっと家が家らしく整ってきた。
今ロンドンの街はクリスマス一色。気がつけば2012年も残す所あと10日。

今年は新居にクリスマスツリーを買ってルシアンと飾り付けしようと楽しみにしていたものの、気に入ったツリーが見つからずに断念。結局ツリーにこだわらずにルシアンと2人でお家にあるものと近所でちょこっと買ってきたものでクリスマスコーナーを作成。写真にある陶芸作品は末村久美子さんの作品。母がもっていたものを結婚した時に譲ってもらった。

ここ最近、翌朝起きるのを楽しみに思いながら毎晩就寝していることを考えると、ロンドンの水は私に合っているのだろうと思う。東京で生活している時は何か漠然とした不安をもわ〜っと感じて夜中に起きる事があった。今思うとあの感情は何だったのだろうか。

さぁ、年内にもう一回くらい更新できるかな。
とりあえず、Happy Holidays!



11/20/12

ロンドンより

海外生活通算14年目。今回たどり着いたのは夫の母国、英国・ロンドン。現在3歳9ヶ月の息子の教育や夫の今後の仕事のベースを考えるとここには長く(永遠に?)お世話になりそう。

越してきて1月半。まだ東京からの荷物が届かない。必要に応じて買い足したものはあるけれど基本は自分たちで運んだスーツケース(各自2個)に収まる荷物で生活がつつがなくおくれている。本など恋しく思うものも若干あるにせよ、基本不自由を感じない日々。数週間後に届く荷物の一体何割が私たちの人生に本当に必要なものなのかしら〜(溜息)今もし時間が戻せるのならば荷造り確実に5割は減らせる自信アリ!

ぼちぼちここでもロンドン情報など書いていこうと思ってます。取り急ぎ近況報告でした。

7/3/12

音楽家の思考と文章力part2

音楽家の思考と文章力について前回のポストで触れたが、また素敵な本に出会ったのでご紹介したい:

まずは、ヴァイオリニスト諏訪内晶子氏の「ヴァイオリンと翔る」(2001年、NHK出版)。ストイックに技術を極めるその探究心と情熱、そして冷静に周囲や自分のおかれている環境を観察するその洞察力に圧倒される。音楽家、演奏家がステージで音を紡ぎだすに至るまでにどのようなプロセスをへているのかを知るのにとても興味深い一冊。

そして2冊目、日本語翻訳版が先月末に出版されたばかりのスーザン・トムズ氏の「静けさの中から〜ピアニストの四季〜」。翻訳者はこのブログでも何度かご紹介したことのある、ご自身もピアニストで文筆家でもある小川典子氏。著者と同じくピアノを専門とし、そして英国の文化や言葉に精通している彼女以外にこの本を訳す適任者はいなかったと思う。私も翻訳をするので人の言葉を(それが洗練されたものであればあるほど)預かって作業することの大変さはよく心得ているつもりだが、本書では素晴らしい仕事をされたと思う。スーザン・トムズ氏の文章は非常にディテールなのにしつこくなく、そして彼女の思考の大きな枠組みも明瞭で、小川さんの翻訳の素晴らしさも手伝って、トムズ氏の思考の中にストンと入ってすっかり呼吸を共にする感覚を覚えた。品の良いユーモアセンスも心地よい。随筆集でここまで著者の思考に寄り添えたのは久しぶり。

生活の何気ない事にときめくことの出来る感性、ふとラジオなどから流れてきた情報から深い考察に繋げる事ができる知性、思考を行動に移す能力...それらのアビリティーが専門的分野の才能と融合した場合、さらにそれが昇華され、極められて、上記の彼女たちの場合は音楽という形で、きっとまた我々にパフォーマンスやその他の活動を通して還元されるのであろうと想像する。その恩恵にあずかる音楽好きの一人として思考する音楽家たちを心から尊敬してやまない。

*「ヴァイオリンと翔る」諏訪内晶子著(NHK出版)
*「静けさの中から ピアニストの四季」スーザン・トムズ著/小川典子訳(春秋社)

1/17/12

音楽家の思考、そして文章力


© S. Mitsuta

先日アメリカ人の物理学者の友人(男性)が遊びにきていて音楽談義をしていたら、「同僚の研究者の中に音楽演奏が趣味なひとが多い」と話していた。ピアノ、ヴァイオリン、ロックバンドのギタリストという人もいるらしい。物理の世界は男性が多くを占めているらしいが、少数派の女性物理学者(彼の奥様も物理学者)に限って言えば、彼の周辺ではピアノを小さい頃から習っている人がダントツに多いそうだ。ピアノが比較的一般的な習い事である事実も大きいとは思うが、彼曰く、ピアノで培われた空間認識能力が物理の思考の世界でも積極的に役立つのだろうと語っていた。

そもそもなぜ我々が音楽の話をし始めたかというと、その時私たちがかけていたCDの演奏が気になって「これは誰?」と彼が聞いてきたのがきっかけだった。その時かけていたのは小川典子さんの「Claude Debussy Preludes Premier Livre&Deuxieme Livre」だった。

話は変わるが、音楽家の紡ぎだす文章に美しいものが多く感心することが多い。文章の好みはひとそれぞれだけれど、その音楽家が優れた洞察力をもった人間であるということを大前提として,私は彼らの書く文章の音楽的要素(全体の流れの構成、リズム、テンポの強弱など)が心地よくて虜になってしまう。

先述のロンドン在住のピアニスト小川典子さん(過去のブログ:http://motokouda.blogspot.com/2008/03/blog-post.html)もその美しい文章を紡ぎだすおひとり。彼女の著書「夢はピアノとともに」も大変楽しく拝読したのだが、今回リニューアルされた彼女のウェブサイトで彼女が過去に新聞等に連載した記事のアーカイブもあって、あらためて彼女のピアノだけでなく、文章のファンになった。彼女のウィットや時折ぴりっと効いたサーカズムは長年の英国生活で培われたものなのだろうか。アディクティブ。

彼女のウェブサイトはこちら:http://www.norikoogawa.com/

1/10/12

私の愛用レシピ本part2〜英語と料理の勉強の意外な共通点〜


家族のためにお料理を毎日作っていると、それなりに美味しいもの(=家族から「美味しい」と言ってもらえるもの)をそれなりに作れるようになる。

一説によると主婦は10品程度の得意な料理をローテンション+アレンジで出しているパターンが多いらしい。きっと10日間違う料理が続いてまた同じパターンに戻っても家族って案外気がつかずに飽きずに食べれてしまうのかもしれない。同じお気に入りのおかずをリクエストする子どもも多いだろうし。

でもやっぱり作り手としても精進したいし、家族にもバラエティーに富んだ食事を楽しんでもらいたいとなると書籍やインターネットで入手できるレシピはありがたい。

面白いのは(私に限ったことかもしれないけど...)お菓子のレシピは厳密に計量して作る事が多いのに比べて、おかず料理に関してはレシピを見ながら自己流にアレンジしてしまうことが多い事。アレンジ出来るのは悪い事ではないと思うんだけど、でも結局いつもの好みの味に似てしまい新しいレシピを習得したとは言いがたい。

小さいころから本格的な料理を叩き込まれてもう基本は完璧だ!というのならまだしも、やっぱりすぐに自己流アレンジして悦に入ってるのは良くないかもなぁと思い最近は初心に戻ってきちんとレシピを真似してみるようにしている。気に入って何度か同じものを作っていくうちに「我が家」の味にアレンジを効かせていくことはあるけれど。

こんなことを続けているうちに、少しずつレパートリーも増えてきたし、やっぱり新しいことに挑戦するのは楽しい。

話は飛ぶけれど、これって言語の勉強と似てる。私は英語での生活が始まって早18年になるけれど、最近英国人の夫に「ここ1、2年君の英語がレイジーになってきているから気をつけた方が良い」と言われた。考えてみれば今学生でもなく、社会人でもなく、2007年からは東京で日本語に囲まれた環境で生活している。周囲の言語は夫や英語を話す友人との会話以外は基本的に日本語。自分が積極的に単語を増やして精進することを忘れて、気がつくと楽なボキャブラリーで生活をしていた。これではいかんと、初心に戻って英語の書籍や新聞を意識的に読むように心がけ、今更だけど自分でパッと英語で定義がきちんと言えない単語は辞書で調べて書き留めるようにした。それだけで短時間で随分英語力戻ってきた。自分の「知っている」「慣れている」範囲で生活してたら進歩がないどころか後退していくよなぁ...と痛感。そういう意味で料理においても自分の慣れ親しんだレシピ以外のものに挑戦していくのって大切だなぁ..と痛感した今日この頃。意外な共通点だと思いませんか?

さて、以前ここでご紹介したレシピ以外で最近参考にしているレシピ本は下記のとおりです(マクロビやベジにこだわらずに参考になりそうなものを集めてます。ちょっと古いのも含まれてます。):

* 「VEGE BOOK3 Eat Your Vegetables!」Café Eight著 リトルモア
* 「玄米・雑穀のごはん カフェでも始めてるレシピ41」カフェタイムブックシリーズ エーシームック
* 「マクロビオティック おしゃれレシピ」オレンジページムック編集
* 「野菜の美人ごはん」庄司いずみ著 扶桑社
* 「らでぃっしゅのおだいどこ〜らでぃっしゅぼーやの野菜料理レシピ〜」らでぃっしゅぼーや株式会社著 竹書房
* 「体脂肪計タニタの社員食堂〜500kcalのまんぷく定食〜」株式会社タニタ著 大和書房
* 「中島デコのマクロビオティック ライステラスカフェ」中島デコ著 PARCO出版
* 「卵も牛乳も白砂糖も使わない パトリシオのハッピー・マクロビオティック・スイーツ」パトリシオ・ガルシア・デ・パレデス著 小学館
*「おいしい玄米菜食レシピ はじめてのマクロビオティック」長澤池早子監修 成美堂出版

1/9/12

おすすめブログ:Ryuzo Fukuhara「Spoken dance」

Happy New Year 2012

私のこんなブログでも一日に平均80~100人くらい訪問者がいる。私のブログと知っていてチェックしてくれている人もいれば、偶然なにかのキーワード検索にひっかかって訪れてくれる人もいる。稀にだがメールで意見や感想を送ってくれる人もいる。そんなすべての人と縁があって一時でも繋がれて嬉しい。

さて、年初めの投稿は、私が大好きな友人のブログのご紹介。
舞踏家の福原隆造さん。
6年前にベトナムとカンボジアでお仕事をご一緒したのがきっかけでお知り合いになった。
お会いした頃はチェコ在住だったが、現在はスロベニア在住。

「舞踏」というと大野 一雄氏、土方 巽氏、田中民氏などの名前くらいは聞いた事があり、雑誌の記事や短い映像を見た事がある程度の知識だった。生の舞踏を見たのは隆造氏のパフォーマンスが初めてだった。地面にすごい重力で吸い込まれていくような、でも絶対的に吸い込まれないとてつもない力強さみたいな、そんな融合に大きな感動を覚えた。

その後年月が経ち、私も当時仕事をしていたベトナムを去り、結婚・出産などで随分環境が変わった。
そんな時にFacebookで再会したのをきかっけに彼のブログの読者になった。

会ってお話した時も面白い人だなぁ、と思っていたけれど、彼の多岐に渡る洞察力の鋭さ、そして文章表現力の高さ、媚を売らない態度(これって、本当は当然のことで褒め言葉にならないんだろうけど、笑)に改めて福原隆造氏のファンになった。

地理的条件故になかなかパフォーマンスを見る機会には恵まれないけれど、今はブログを通して子育ての合間に私の思考をいろんなところにいざなってくれている。

福原隆造氏のブログ「Spoken dance」:

http://ryuzodance.blogspot.com/2012/01/5.html