8/4/05
フーン・M・ドー
ベトナムコンテンポラリーアートのリサーチをはじめて丸7年。ベトナムに移り住んでから6年め。去年からオーストラリア人アーティスト・キューレーターのSue Hajduとa little blah blahというアーティスト・イニシアティブを運営しています。観光、ビジネスではここ数年急激な成長をみせるベトナム。サイゴンで生活していると自分が社会主義国にいる事なんてすっかり忘れてしまう事がしょっちゅうです。しかし文化面では社会主義国の壁(検閲、官僚体制ゆえのシステムの悪循環などなど)はしっかりとそびえたっています。検閲どうこうを書き始めると論文になってしまうので、ここでは割愛させていただきますが、展覧会の企画も面倒がおおいのが実情。個展か2、3人のアーティスト位で、展覧会の内容が明らかに政治的、性的表現を含んでいないものの場合は時間に余裕さえもてばOKですが、大人数の国際展なんかになると、あーーー頭痛っ!!最近いろいろありましてストレス気味です。詳細は9月号美術手帖に書いてますのでもし興味があるかたはホーチミンレポート読んで下さいね!
さてさて、話はa little blah blah に戻って、我々の活動をちょっとご紹介。基本的には海外アーティスト・アート団体とのネットワークを広げ、彼らの作品をベトナムで紹介する事と、ベトナムコンテンポラリーアートを海外でプロモートするのが目的。でも先述したように企画展の実現に時間がかかる事から、その合間にアーティストトークなどをやってます。これも文化的イベントなので、本来は文化情報局から許可をもらわないと公の場ではやってはいけないのですが、我々はカフェなどを使って「プライベートパーティー」の形でやっております。ですので、もし文化警察がやってきたら飲み物片手にパーティーしてるふりをするわけです。(笑)来る8月1日にベトナム系アメリカ人アーティストPhuong M. Do (フーン・M・ドー)のトークが開催されました。足がつかないように、開催通知は口頭伝達。8月でバケーションにいってる人が多いなか、33人の参加がありました。彼女はベトナム人の両親の元でラオスで生まれ、幼少期にボートピープルとしてアメリカに渡りそこで教育を受けました。10年以上社会福祉に携わり、その後大学院に戻って写真とアート論を学び、今はフルタイムでフォトアーティストとして活躍してます。作品は自分のアイデンティティーの探求がテーマ。まぁ、よくありげなテーマなのですが、笑、でも彼女の作品いいですよ。グーグルしてみて下さい。多分作品ウェブ上でみれると思います。とりあえず、長くなりましたが、今回はa little blah blah ご紹介でした。